奈良県の方言一覧!よく使う奈良弁まとめ(大和ことば)

奈良県の方言地図

奈良県では、かつて平城京などの都が置かれており、「大和ことば」と呼ばれる方言が使用されています。この方言は、奈良県の旧国名である「大和国」に由来しています。その歴史は古く、言われているように「大和ことばにさんうつな(奈良の言葉にけちをつけるな)」ということわざも存在します。

特徴としては、古代の万葉集に登場するような古い言葉が多く使用されており、「去る」を「いぬ」、「いただく」を「たばる」といった表現が見られます。これらは1200年以上前の言葉です。

奈良県の方言は、北部と山間部である吉野・天川の南部とに分かれます。同じ言葉でも、北部と南部では発音や表現方法が異なることがあります。例えば、相槌の表現「そうか」は北部では「ほーけ」や「さよけ」となるのに対し、南部では「じゃーか」と言います。

北部方言は、京都や大阪の影響を受けており、言葉や発音の面で類似点があります。一方、南部方言は東京式のアクセントを持ち、北部方言とは大きく異なります。

北部方言では、文末の「〜だ」を「〜や」と言ったり、「〜ない」と否定する際には「行かん」「行かへん」といった表現に「〜ん」「〜へん」を使います。南部方言では、「〜のーら」が「〜ね」に相当し、「あのね」は「あののーら」と言われます。

また、特定の方言である「はそん」は、「こわすこと」を意味する共通語とは逆に、「修理」という意味を表します。

奈良県の方言には、北部方言と南部方言で発音や言葉の使い方が異なる特徴があります。今回は、奈良県で話される有名な方言を五十音順にご紹介します。

関西地方の方言をまとめてご覧になりたい方は、「関西地方(近畿地方)の方言一覧」をご覧下さい。

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はじめに:奈良県の有名な方言といえばコレ!

有名な方言

奈良県の方言を一覧でご紹介する前に、まずは奈良県の有名な方言をご紹介します。

方言博士
最低限これだけは知っていれば、きみも立派な奈良っ子じゃ!

きけてはりますなぁ

さぞやおつかれでしょう


われたまど まとうてや

割れた窓 べんしょうしてよ


これ、もむないわ

これ、おいしくないよ


いろは なにしよんど?

おまえは 何しているの?


じょーだり テレビみとる

いつも テレビ(ばっかり)見ている


はよきて よばれー

早く来て ごちそうになりなさい


ことしは よんなかやったな

今年は 豊作だったな


もむないなー

おいしくないな


しかには あわへん

鹿には あわない


いげ もういぬわー

おれ もう帰るよ


ほーせきちょうだい

おやつちょうだい

「おやつ」は「ほーせき」、お菓子は「あまい」という。

がしんたれ

けち


こないだ おおきに

この前はどうもありがとう


まわり

準備

「はよ、まわりしーや」で、「早く、準備しなさい」という意味。

なかなか

どういたしまして

「なかなか」は副詞の「なかなかうまくいかない」から派生した表現であり、相手の言葉を軽く否定して「いえ、それほどでもない」という意味を表します。

おとろしい

めんどくさい、わずらわしいことです。「そんなおとろしいこと!」や「この重いタンス運ぶの、おとろしい」という感じで使います。


しるい

ぬかるんでいることです。「雨が降ったから、校庭がしるい」という感じで使います。


てんごする

いたずらすることです。「誰や、ここおいといたバイクてんごしたやつ」という感じで使います。


ぼっこ

ひどいことです。「ぼっこなこと言いな」で「そんなひどいことを言うなよ」という意味です。


もむない

まずいことです。「この食事、もむないなー」という感じで使います。


やくたい

手のつけようもないことです。「もう、やくたいやで」という感じで使います。


よす

修理することです。「壊れた時計をよす」や「エアコンがこわれたので、電気屋さんでよす」という感じで使います。


あめが ふっとるやろ(北部の方言)

雨が 降っているだろう


あめが ふりょーるじゃろ(南部の方言)

雨が 降っているだろう


いろは、なにしよんど?(南部の方言)

おまえは、何しているの?

県南部では、自分と相手の呼び方を使い分けて尊敬の気持ちを表す敬語表現が存在します。「いろ」は「きみ」や「おまえ」という意味で、話し手が年上の場合に使用されます。目上の人には「わし」という呼び方があり、これは「私」と言い換えられます。

あつしにい、なにしよんど?(南部の方言)

あつしさん、何しているの?


いげ、もういぬわ(南部の方言)

おれ、もう帰るよ

「いげ」は「わたし」や「おれ」という意味で、話し手が年上の場合に用いられます。
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「あ行」奈良県の方言一覧

方言 意味
あいやこ 一緒に持つ
あののーら あのね
あんじょう うまく
いがむ ゆがむ
いぬ 帰る
いらう 触る
いらち 短気な人
いらん いらない
うすい アホ
えらい たいそうな
おいで いっらしゃい
おかいさん 茶粥
おとろしー 面倒くさい
おとんぼ 末っ子
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「か行」奈良県の方言一覧

方言 意味
かえとこ 取り替えっこ
がしんたれ ケチ
きけた 疲れた
きさんじ 生真面目
きっしょ きっかけ
けなるい うらやましい
こころわるい 気持ちがよくない、不快
こすい ずるい
ごっつ とても
こまこい せこい
ごんた いたずらっこ、悪さをする子

「さ行」奈良県の方言一覧

方言 意味
しらこい 白々しい
せたらう 背負う
せんど 何度も
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「た行」奈良県の方言一覧

方言 意味
ちょこぼる その場にかがむ
つかえる 混雑する
てれこ 反対
てんご いたずらする
どやぐ 大声で叫ぶ

「な行」奈良県の方言一覧

方言 意味
ながたん 包丁
なかなか どういたしまして
なんじゅー 困る
ぬくい 温かい
ねき 近く
ねまる 疲れている

「は行」奈良県の方言一覧

方言 意味
はそん 修繕
はんがい 腹立つ
ひやこい 冷たい
ぺちゃこい 平べったい
へちゃ、へちゃむくれ ブサイク、ブス
ほーせき おやつ
ぼっこ ひどい
ほんま ほんとう
ほんまに? ほんとうに?

「ま行」奈良県の方言一覧

方言 意味
まとう 弁償する
まわり 準備
見えやん 見えない
めんめ わたし、各自、自分自身
もむない おいしくない、まずい

「や行」奈良県の方言一覧

方言 意味
やにこい 貧弱な
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奈良県の方言まとめ

方言まとめ

奈良県は古くは「大和」として知られ、日本の歴史の中で非常に重要な地位を持つ場所です。京都の有名な都市、平安京が建設される前に、ここ奈良には平城京という都が存在していました。

奈良県の方言は、「大和ことば」とも呼ばれるもので、地域によって異なる特徴を持っています。具体的には、大阪や京都に近い奈良市や天理市を含む県北部では「北部方言」が話されています。一方、吉野町や天川村、十津川村のような山間部では「南部方言」が使用されています。

この奈良方言は、大阪府や京都府の言葉との類似点が多いものの、独自の特徴も持っています。例えば、「おとろしー」は「めんどくさい」という意味で、この言葉は奈良方言固有のものです。また、「たばる」は、神仏に供えたものをいただくという意味で、このような古典文学である「万葉集」に出てくるような古い言葉を元にした方言も見られます。これらの特徴は、奈良方言の魅力的な部分の一つと言えるでしょう。

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