日本の方言には、東日本と西日本の明瞭な違いが見受けられます。
この東西の分断は、日本の独特の地理的な要因に大きく影響されています。
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東日本と西日本の方言の違い・分布
糸魚川の西には「親知らず」と呼ばれる高さ300メートルにも及ぶ険しい崖が連なり、更に南方には飛騨山脈や木曽山脈、赤石山脈といった高い山々が広がっており、太平洋側へと続いています。
また、太平洋側には大きな天竜川が流れています。これらの地理的な障壁が、古代の人々の移動を大きく制限していたため、異なる地域間でのコミュニケーションが難しくなり、方言が独自に発展してきました。
具体的に、新潟県の西部、糸魚川と静岡県の西部、浜名湖を結ぶラインが方言の境界として知られており、これは「糸魚川浜名湖線」として広く知られています。
この境界を示す線の存在は、地形と言語の深い関係を示唆しています。
この境界を境に、東と西で使われることばや表現が大きく異なることが確認できます。
例えば、塩を味わった感じを表す言葉として、新潟や長野、静岡の東側では「ショッパイ」と言い、富山や岐阜、愛知の西側では「カライ」と言います。
さらに、方言の違いは動詞や名詞、食べ物の名称にも現れます。
たとえば、存在を示す動詞の使い方では、東日本の人々は「いる」と言い、西日本の人々は「おる」と表現します。
食べ物の呼び名も、例えば「おでん」は東日本では「おでん」と呼ばれるのに対し、西日本では「関東だき」と呼ぶこともあるという具体的な違いが見られます。
このような方言の違いは、各地域の歴史や文化の背景に基づいています。
異なる地域を訪れる際、土地独自の方言を耳にすることで、その地域の魅力や歴史を感じることができるでしょう。
東日本と西日本の方言の違い・分布を表で簡単解説
項目 | 詳細説明 |
---|---|
方言の区分 | 大きく東日本と西日本に分かれる。 |
自然の影響 | 糸魚川の西の断崖、飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈、天竜川などの地形が、人々の移動やコミュニケーションを制限。結果として方言が独自に発展。 |
方言の境界線 | 「糸魚川浜名湖線」。この境界を基に方言の違いが顕著。 |
塩の表現の違い | 東側では「ショッパイ」、西側では「カライ」。 |
方言の研究 | 江戸時代初めにロドリゲスが「日本大文典」にて東西の方言違いを初めて学問的に記述。 |
明確な方言の例 |
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方言の魅力 | 地域ごとの文化や歴史が背景にあり、旅行や訪問時にその土地の独特な魅力を感じられる。 |
方言区画論とは
方言とは、ある特定の地域やコミュニティにおいて使われる特有の言葉や表現のことを指します。
そして、この方言の違いによって地域を区切る考え方を「方言区画論」と言います。
方言区画論は、ある地域の人々がどのような言葉や文法を使用するのか、その特徴をまとめて一つの「区画」として見るものです。
方言区画論にはさまざまなものが提案されていますが、国語学者の東条操が提唱した区画に基づくと、日本の方言は北から南にかけて「北海道方言」「東北方言」「関東方言」といったように、全部で16の主要な区画に分けられます。
これらの方言はさらに大きく2つのカテゴリー、「本土方言」と「琉球方言」に分けられます。
特に「本土方言」においては、さらに「東部方言」「西部方言」「九州方言」の3つの大きなグループに分類されるとされています。
たとえば、私たちが普段聞く「東北弁」や「関西弁」といった言い方も、この方言区画論を基にすると、それぞれ「東北方言」や「関東・関西方言」といった具体的な範囲やカテゴリーに位置づけることができます。
このように、方言区画論を理解することで、日本全国の方言の特徴やその広がり、そしてその背景にある歴史や文化をより深く知ることができるのです。
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