和歌山県は、紀伊半島に位置し、大阪との間には和泉山脈があり、古くから交通の難所でした。このため、和歌山県では独自の言葉が多く生まれ、和歌山弁は他地域の方言とは異なる特色を持っています。
和歌山県には、紀北方言、紀中方言、紀南方言の3つの方言があります。地形上の理由から他地域との交流が制限されていたため、多くの方言が発展しました。
例えば、「一緒に行こうら」「〜のし」「それしかえー」といった独特の表現があります。また、「ある」を「いる」に言い換えたり、古風な表現が使われることも特徴の一つです。
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奈良公園にシカがある(和歌山弁)
また、人や動物が「いない」ことは「ない」といいます。
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この村にはもう人はない(和歌山弁)
他にも、和歌山弁の発音の特徴としては、ザ行・ダ行・ラ行が入れ替わる場合があります。
- ぞうきん→どうきん
- れいぞうこ→れいどうこ
- 全然(ぜんぜん)→でんでん
- おおそうじ→おおそうり
- うどん→うろん
- ひざ→ひだ
- かぜ→かれ
今回は、そんな和歌山県の有名な方言一覧を五十音順にご紹介します。
関西地方の方言をまとめてご覧になりたい方は、「関西地方(近畿地方)の方言一覧」をご覧下さい。
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目次
はじめに:和歌山県の有名な方言といえばコレ!
和歌山県の方言を一覧でご紹介する前に、まずは和歌山県の有名な方言をご紹介します。
おいやん どうよー
おじさん 元気か
にえる
あざができる
おいよー
しっかりたのむよ
こらえてよー
ごめんなさい
てき どこへ いたんな
あいつは どこへ 行ったんだ
みーする
魚の骨をとって食べやすいように身をほぐすこと。
つれもて いこら
いっしょに 行こうよ
おおきによう
ありがとうね
ぼちぼちいこら
ゆっくりいきましょう
ええわいしょ
いいですね
じてこで いこら
自転車で 行こうよ
にんにこ こさえちゃら
おにぎり 作ってあげるよ
あがええに おいなーよ
わたしの家に おいでよ
〜のし
〜ですね
こっちしか おいしそう
こっちの方が おいしそう
くさびら
きのこ
よーさんもろたなぁ
たくさんもらったなぁ
れいどーこ
れいぞうこ
どーきん
ぞうきん
うろん
うどん
くちなわ
へび
いかき
ざる
ごんしょ
「いらっしゃいよ」のことです。「リゾート地 ハワイに、ごんしょ」や「世界遺産屋久島に、ごんしょ」という感じで使います。
はずむ
贅沢をするという意味です。「ちょっとはずんで、今夜はお寿司を食べに行こう」という感じで使います。
へらこい
人懐っこいこと。「あの子、へらこい子やなぁ」という感じで使います。
みよら
「見よう」のことです。「次の日曜日に映画をみよら」という感じで使います。
もじける
こわれることです。「携帯がもじける」という感じで使います。
やにこい
「ものすごい」ことです。
なんき(紀北の方言)
かぼちゃ
なんきん(紀中の方言)
かぼちゃ
かぼちゃ(紀南の方言)
かぼちゃ
「あ行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
あいた | 明日 |
あが | 私 |
あかい | 明るい |
あがら | わたしたち |
あらくたい | 荒々しい |
あらくる | 整理する |
いごく | 動く |
いっけ | 親戚 |
いもと・おとと | 妹・弟 |
うたとい | 面倒 |
うろん | うどん |
おいなーよ | またおいでよね、また来いよ |
おいない | いらっしゃいよ |
おいやん | おじさん |
おたぐらかく | あぐらをかく |
おとろしい | 恐ろしい |
お腹おっきい | お腹いっぱい |
おまはん | お前 |
おみら | あなたたち |
おもしゃい | おもしろい |
「か行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
かいだるい | だるい |
かたた | カタツムリ |
きばる | 許す |
くさびら | きのこ |
けなりい | うらやましい |
こころわるい | 気持ちがよくない、不快 |
こらえてよー | 勘弁してよ |
「さ行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
さかっちょ | 逆さま |
さげる | 持つ |
しゃるく | 歩く |
せーない | つまらない |
「た行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
たる | 飽きる、十分だ、足りる |
ちゃっと | ついに |
ちょっきし | ちょうど |
てき | あの人 |
できやん | できない |
でばつく | ものもらい |
でんでん | 全然 |
どうきん | ぞうきん |
どしゃんばら | 草むら |
「な行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
なっとか | どうにか |
にんにこ | 握り飯 |
ねぶたい | 眠たい |
のとろ | とても |
「は行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
はしりごく | かけっこ |
はずむ | ぜいたくする |
べっこう | 余計なこと |
べった | びり |
ほーかな | すばらしい |
ほいたら | そうしたら |
ぼっきんこ | 小銭 |
「ま行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
みずせった | ビーチサンダル |
もじける | つぶれる・こわれる |
「や行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
やつす | おめかしする |
ようさん | たくさん |
「わ行」和歌山県の方言一覧
方言 | 意味 |
わえ | わたし |
わせ | 私の家 |
わちゃわちゃ | めちゃめちゃ |
わやくちゃ | めちゃくちゃ |
和歌山県の方言まとめ
和歌山県はかつて「紀伊国」として知られていた場所です。この地域には独自の方言が存在し、大きく3つのエリアに分類できます。
県北部に位置する和歌山市周辺では「紀北方言」、県中央部の御坊市や田辺市北部では「紀中方言」、そして県南部の新宮市や田辺市南部では「紀南方言」と呼ばれる言葉が使われています。
和歌山県は大阪府と隣接していますが、両県の間に和泉山脈が広がっているため、古くから人々の移動が難しく、それが和歌山の方言が大阪方言とは異なる独自の特色を持つ理由となっています。
例えば、一般的な日本語で「今日」という言葉は和歌山方言では「きょうわ」と表現され、「きょうわは雨だ」と言うように使われます。
また、普通の日本語で「人がいる」という表現も、和歌山方言では「人がある」という、古い日本語の言い回しを残した形で使用されることがあります。