- 読み方
- かねてより
- 意味
- 前から・以前から・事前に。
- 誤用?
- 誤用とは言えません。古くから実際に使われている確立した表現です。
- 類似表現
- かねてから・以前から・前々から・かねがね。
「かねてより」は、以前から・前からという意味の表現です。「かねて」に「前から」の意味があるため、重言ではないかと疑問に思われることがありますが、「かねてより」は古くから使われてきた表現で、単純に誤用とは言えません。
「かねてより」の意味
精選版 日本国語大辞典では「予てより」を、「今から。事前に。前から」と説明しています。
「以前からずっと考えていた」「前から予定していた」といった、過去から現在へ続く事柄についてよく使います。
- かねてより計画していた事業を開始する。
- かねてより希望していた留学が決まった。
- かねてより準備を進めてまいりました。
「かねてより」は重言・誤用なの?
「かねて」自体に「前から」という意味があるため、「より」を付けると重複しているように見えることがあります。
しかし、日本国語大辞典には「かねてより」そのものが見出しとして立てられ、古今和歌集や源氏物語などの古い実例も示されています。
簡潔さを重視して「かねて」「以前から」と書き換えることはできますが、「かねてより」を日本語として誤りだと断定するのは適切ではありません。
「かねてより」と「かねてから」の違い
どちらも「以前から」という意味で使われます。
| 表現 | 意味 | 印象 |
|---|---|---|
| かねてより | 以前から | やや文章語的・改まった印象 |
| かねてから | 以前から | 会話でも使いやすい |
| かねて | 以前から・あらかじめ | 簡潔 |
意味の大きな違いというより、文体や響きの違いとして使い分けられることが多いです。
ビジネスでの使い方
「かねてより」は、挨拶・発表・計画の説明など、やや改まった文章と相性のよい表現です。
- かねてより準備を進めてまいりました新サービスを、本日より開始いたします。
- かねてよりご要望をいただいておりました機能を追加いたしました。
- かねてより検討しておりました移転計画が正式に決定いたしました。
- かねてよりお知らせしておりましたとおり、営業時間を変更いたします。
「かねてより」の言い換え
- 以前から
- 前々から
- 従来から
- かねがね
- あらかじめ
ただし、「あらかじめ」は前もって準備する意味が強く、「以前からずっと」という継続のニュアンスとは異なる場合があります。
よくある質問
「かねてより」は二重表現ですか?
重複のように感じられることはありますが、古くから用例のある確立した表現です。誤用と断定するのは適切ではありません。
「かねてから」とどちらが正しいですか?
どちらも使われます。「かねてより」はやや文章語的、「かねてから」は会話にもなじみやすい傾向があります。
「兼ねてより」と書きますか?
この意味の「かねて」は「予て」と書きます。「兼ねて」は「一つで二つ以上の役目を持つ」など、別の語です。
まとめ
- 「かねてより」は「以前から・前から」の意味。
- 古今和歌集や源氏物語にも実例があり、古くから使われている。
- 単純に「誤用」とするのは適切ではない。
- 「かねてから」と意味は近く、文体の違いで使い分けられる。