- 読み方
- おいおとす
- 意味
- 相手を追い立てて落とすこと。転じて、競争相手などを地位・立場から退かせること。
- よくある使い方
- ライバルを追い落とす/権力の座から追い落とす/首位から追い落とす。
- 注意点
- 単に成績で上回る場合より、相手をその地位から退かせるという強い含みがある。
「追い落とす(おいおとす)」は、もともと追い立てて落とすことを表し、現在は特に競争相手を地位や優位な立場から退かせる意味でよく使われます。
「追い落とす」の意味
人や動物などを追い立てて、高い所から落とすことをいうほか、戦いで相手を追い払い、城などを攻め落とす意味でも使われてきました。現代の記事や会話では、組織内の権力争い、選挙、スポーツなどで、相手を現在の立場から退ける意味が中心です。
必ずしも相手が「目上の人」である必要はありません。ライバル同士や競争相手にも使います。
「追い落とす」の使い方
「AがBを追い落とす」「Bを首位から追い落とす」のように、追い落とす側と地位を失う側が分かる形で使うと明確です。受け身の「追い落とされる」も使われます。
「追い落とす」の例文
- 新興企業が長年の業界首位を追い落とした。
- 彼は社内の権力争いで、会長の座から追い落とされた。
- 次の試合で首位チームを追い落とすことを目標にしている。
- 反対派は現政権を追い落とそうと動いている。
- その候補者は現職を追い落とし、新しい代表に選ばれた。
「追い落とす」と「追い抜く」の違い
| 言葉 | 意味・重点 | 例 |
|---|---|---|
| 追い落とす | 相手をそれまでの地位・優位な立場から退かせる | 首位チームを追い落とす |
| 追い抜く | 後ろから進んで相手より前に出る。成績や実力で上回ることにも使う | 先輩の記録を追い抜く |
| 失脚させる | 相手に地位・権力を失わせる | 幹部を失脚させる |
「追い抜く」は競争の結果に重点があり、「追い落とす」は相手が地位を失う点が強く意識されます。単に実力が上回っただけなら「追い抜く」が自然なこともあります。
「追い落とす」と「下剋上」の違い
「下剋上(下克上)」は、下位の者が上位の者に勝ち、権力や立場を覆すことをいいます。一方、「追い落とす」は上下関係の有無にかかわらず、相手を現在の地位から退かせる行為を指せます。このため、両者は常に言い換えられるわけではありません。
使うときの注意点
「追い落とす」は、競争・対立・排除といった強い響きを伴いやすい言葉です。通常の人事異動や円満な世代交代については「交代する」「後任に譲る」などが適切な場合があります。また、「パワハラによって社長の座を追い落とされた」のような文章では、誰が誰を追い落としたのかをはっきりさせましょう。
類義語・言い換え
- 失脚させる:相手に地位や権力を失わせる。
- 引きずり下ろす:相手を高い地位から退ける。口語的で強い表現。
- 打ち負かす:勝負などで相手に勝つ。地位を失わせる意味は必須ではない。
- 追い抜く:順位・能力などで相手より前に出る。
よくある質問
「追い落とす」は悪い意味ですか?
相手を地位から退かせる強い表現なので、対立的・攻撃的に響くことがあります。ただし、スポーツなどで順位が入れ替わる場合にも使われ、必ずしも不正な行為を意味しません。
自分より上の立場の人にしか使えませんか?
いいえ。目上の人に限らず、同格のライバルや競争相手にも使えます。
「追い落とされる」とはどういう意味ですか?
他者との争いや競争などによって、それまで占めていた地位・優位な立場を失うことです。
まとめ
- 「追い落とす」は、相手を追い立てて落とすことや、地位・立場から退かせること。
- 目上の人に限定されず、競争相手にも使う。
- 「追い抜く」より、相手がその地位を失うことに重点がある。
主な参考辞書・資料
- 『デジタル大辞泉』「追い落とす」
- 『精選版 日本国語大辞典』「追い落とす」
- 『デジタル大辞泉』「下剋上」