- 表記
- 付かぬ事
- 意味
- それまでの話と関係のないこと。だしぬけのこと。
- よく使う形
- 「つかぬことを伺いますが」「つかぬことをお聞きしますが」
- 注意
- 「些細でつまらないこと」という意味が本来ではありません。
「つかぬこと」は、それまでの話とは関係のないこと・だしぬけのことという意味です。
会話の流れを変えて質問するときに、「つかぬことを伺いますが……」のように前置きとして使われます。
「つかぬこと」の意味
デジタル大辞泉では「付かぬ事」を、「それまでの話とは関係のないこと。だしぬけのこと」と説明し、「ところで、付かぬ事を伺いますが」という用例を示しています。
「つかぬこと」は、質問内容の重要度ではなく、それまでの話題とのつながりがないことを表します。
「つかぬことをお聞きしますが」の使い方
それまでとは別の話題に移るときや、突然の質問になることを断ってから尋ねたいときに使えます。
- つかぬことをお聞きしますが、こちらには何年ほどお住まいですか。
- つかぬことを伺いますが、先ほどの方のお名前をご存じでしょうか。
- つかぬことをお尋ねしますが、この写真に見覚えはありませんか。
目上の人にも使える?
「つかぬこと」自体は敬語ではありませんが、後ろを「お伺いしますが」「お尋ねしますが」などの丁寧な表現にすれば、目上の人との会話でも使えます。
つかぬことを伺いますが
話題を変えて質問するときに使いやすい。
差し支えなければお伺いしたいのですが
個人的・答えにくい質問では、こちらのほうが配慮を示しやすい。
聞きにくいことなら何でも使える?
「つかぬことを伺いますが」と前置きしても、質問そのものが失礼でなくなるわけではありません。
年齢・収入・家庭事情・健康状態など、相手が答えにくい可能性のある内容では、必要性を考えたうえで「差し支えなければ」などの表現を添えるほうが適切です。
「つかぬこと」は、話題が突然変わることを断る表現です。プライバシーに関わる質問を自由にしてよいという意味ではありません。
「つかぬこと=些細なこと」は誤り?
本来の意味は「それまでの話と関係のないこと」です。
デジタル大辞泉が紹介する文化庁の令和6年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「それまでの話と関係のないこと」で使う人が45.6%、本来の意味ではない「些細でつまらないこと」で使う人が41.6%でした。
つまり、現代では誤解もかなり広がっていますが、辞書上の本来の意味は「話題と関係がない」です。
「つかぬこと」の言い換え
- 話は変わりますが
- ところで
- 突然ですが
- 差し支えなければ
- 本題とは関係ありませんが
ビジネスメールでは、「つかぬことを伺いますが」よりも「本題とは別件ですが」「差し支えなければ」など、目的が明確な表現のほうが読みやすい場合もあります。
例文
- つかぬことを伺いますが、こちらの建物はいつ頃完成したのでしょうか。
- つかぬことをお聞きしますが、〇〇様とは以前からのお知り合いですか。
- つかぬことをお尋ねしますが、この資料の作成者をご存じですか。
- つかぬことですが、駅まではここから歩いて何分ほどでしょうか。
よくある質問
「つかぬこと」の「つかぬ」とは?
辞書では「付かぬ事」という形で立項され、「それまでの話とは関係のないこと」と説明されています。語源を必要以上に分解せず、この連語全体の意味として覚えるのが安全です。
ビジネスメールでも使えますか?
使えますが、メールでは「別件ですが」「本題とは異なりますが」のように、話題が変わることを明確に書く方法も自然です。
「つまらない質問ですが」という意味ですか?
本来は違います。「つかぬこと」は「それまでの話と関係のないこと」を指します。
まとめ
- 「つかぬこと」は「それまでの話と関係のないこと・だしぬけのこと」。
- 「つかぬことを伺いますが」の形で、話題を変えて質問するときに使う。
- 目上には、後ろを丁寧な敬語表現にすれば使える。
- 本来「些細でつまらないこと」という意味ではない。
- 答えにくい質問では「差し支えなければ」などの配慮も必要。
主な参考辞書・資料
- 『デジタル大辞泉』「付かぬ事」
- 『精選版 日本国語大辞典』「付かぬこと」