- 読み方
- たいせいがつく
- 意味
- ある環境や刺激、薬剤などに対して、耐える力・抵抗する性質が備わること。
- 日常での使い方
- 緊張への耐性がつく/怖い場面への耐性がつく。
- 重要な注意
- 「慣れる」「免疫がつく」と常に同じではない。薬の使用を自己判断で変えない。
「耐性がつく(たいせいがつく)」とは、ある環境や刺激、薬剤などに対して、耐えたり抵抗したりできる性質が備わることです。日常では「人前で話す緊張感に耐性がついた」のように、繰り返し経験することで以前ほど苦手に感じなくなる、という比喩的な意味でも使います。
ただし、医療で使う「薬への耐性」と、会話で使う「緊張への耐性」は同じ仕組みを指すものではありません。何に対する耐性なのかを明確にすることが大切です。
「耐性がつく」の意味・読み方
読み方は「たいせいがつく」です。『デジタル大辞泉』では「耐性」を、環境の変化に適応する生物の能力や、病原菌などが薬物に対して示す抵抗力などと説明しています。『精選版 日本国語大辞典』には、困難などに耐えられる性質という意味もあります。
「耐性がつく」は、もともとなかった、または十分でなかった抵抗力や耐えられる性質が備わるという言い方です。日常会話では「緊張に耐性がつく」「怖い映像に耐性がつく」など、以前より平気になったことを表す場合があります。
まず覚えたい使い方
- 緊張への耐性がつく:何度か経験して、緊張した場面に以前より対応しやすくなる。
- 刺激への耐性がつく:同じ刺激に接しても、反応が小さくなるなどの変化が生じる。
- 細菌に薬剤への耐性がつく:特定の薬が効きにくい性質を細菌がもつようになる。
「耐性がつく」の自然な例文6選
- 発表を重ねるうちに、人前で話す緊張感に少しずつ耐性がついてきた。
- ホラー映画を何本も観ている友人は、怖い映像への耐性がついたと言っていた。
- 急な予定変更が多い仕事を経験し、予想外の出来事への耐性がついたように感じる。
- 研究者たちは、特定の環境条件に対する耐性がついた微生物の性質を調べた。
- 細菌に抗菌薬への耐性がつくと、その薬が効きにくくなる場合がある。
- 率直な意見を受け取る経験を重ね、厳しい指摘への耐性がついてきたと本人は話した。
「耐性がつく」は「何に対して」という対象を添えると伝わりやすくなります。仕事や日常の例では比喩的な使い方も含まれるため、医学的な意味と混同しないようにしましょう。
「耐性がつく」「慣れる」「免疫がつく」の違い
| 表現 | 意味の中心 | 例文 |
|---|---|---|
| 耐性がつく | 特定の刺激や条件に耐える力・抵抗する性質が備わる。 | 緊張への耐性がつく。 |
| 慣れる | 経験を重ねて、その状況が特別ではなくなる。 | 新しい職場の雰囲気に慣れる。 |
| 免疫がつく | 本来は、免疫系による病原体などへの防御が成立すること。 | 特定の感染症に対する免疫がつく。 |
| 抵抗力がつく | 外からの影響に抵抗する力が高まる。 | ある環境への抵抗力がつく。 |
| 鈍感になる | 刺激や変化を感じ取りにくくなる。 | 小さな変化に鈍感になる。 |
「慣れる」は広い場面で使える日常語です。「耐性がつく」は、特定の負荷や刺激に耐えられるようになる、という点を強調します。
また、「免疫がつく」は医学的には免疫の仕組みに関する表現で、「薬剤耐性が生じる」と同じ意味ではありません。日常会話で「嫌なことに免疫がついた」と比喩的に言うことはありますが、正式な意味は分けて考えましょう。
「薬に耐性がつく」とはどういうこと?
医療の文脈では「耐性」という言葉に複数の使い方があります。例えば、ある薬を繰り返し使用するうちに同じ量では効き目が弱くなる「薬物耐性」が生じる場合があります。ただし、すべての薬で同じように起こると決まっているわけではありません。
一方、抗菌薬(抗生物質など)の話でいう薬剤耐性(AMR)では、細菌などの微生物が薬に対して抵抗性をもつことが問題になります。「抗菌薬を飲んだ人間の体そのものが、抗菌薬に強くなった」という意味ではありません。
| 文脈 | 耐性をもつ主体 | 何が起こる? |
|---|---|---|
| 薬物耐性(tolerance) | 薬を使用する人の生体反応など | 種類によっては、同じ量で得られる作用が弱まる。 |
| 抗菌薬への薬剤耐性(AMR) | 細菌などの微生物 | 抗菌薬が効きにくくなる。 |
国立健康危機管理研究機構のAMR臨床リファレンスセンターは、抗菌薬の不適切な使用が耐性菌の問題を大きくすることを説明しています。
薬の量や使用方法を自己判断で変えないでください。
薬の効果が変わったと感じても、耐性が原因とは限りません。処方薬の服用量や中止・変更については、自分だけで決めず、医師・薬剤師に相談してください。これは医薬品医療機器総合機構(PMDA)も注意喚起している点です。
ビジネスや日常生活での使い方
「クレーム対応への耐性がつく」「緊張に耐性がつく」などの言い方は、仕事の負荷や慣れを比喩的に表すものです。たとえば初めての発表では極度に緊張しても、経験を重ねることで落ち着いて対応できるようになったときに使えます。
柔らかい言い換え
- 「緊張に耐性がついてきた」→「以前より落ち着いて発表できるようになった」
- 「予想外の事態に耐性がついた」→「急な変更にも対応できるようになった」
- 「厳しい指摘への耐性がついた」→「率直な意見を受け止めやすくなった」
なお、つらい状況に慣れたからといって、問題が解決したとは限りません。理不尽な叱責や不適切な扱いに「耐性をつける」ことを当然の目標にしないという配慮も大切です。
「耐性がつく」は必ずよい意味?
必ずしもよい意味ではありません。緊張に耐えられるようになることは前向きな変化として語られる一方、細菌が抗菌薬への耐性を獲得することは、治療上の問題につながる場合があります。
そのため「耐性がついた」という言葉だけでは、望ましい変化かどうかは決まりません。「誰に」「何に対して」「どのような変化が」起きたかを見て判断する必要があります。
使うときの注意点
「耐性」「免疫」「慣れ」を使い分ける
「耐性」は対象によって専門的な意味が変わります。医学的な内容を説明する際に、日常会話の比喩をそのまま当てはめないようにしましょう。また、薬については正確な情報源を確認し、個別の服薬判断を記事の例文から導かないようにしてください。
よくある質問
「耐性がつく」は何と読みますか?
「たいせいがつく」と読みます。
「耐性がつく」とは簡単に言うと?
ある環境や刺激などに対して、耐えたり抵抗したりする性質が備わることです。日常では「以前ほど苦手ではなくなる」という意味でも使われます。
「耐性がつく」と「慣れる」は同じですか?
重なる場面はありますが、完全には同じではありません。「慣れる」は経験して普通に感じるようになること、「耐性がつく」は特定の影響に耐える性質に重点があります。
「薬に耐性がつく」と「免疫がつく」は同じですか?
異なります。「薬への耐性」には薬物の効果が弱まる現象や、細菌などの薬剤耐性があり、「免疫」は病原体などに対する身体の防御の仕組みです。
薬の効果が弱くなったら自分で使用をやめてもよいですか?
自己判断で中止・増減・変更しないでください。効果の変化にはさまざまな原因が考えられるため、医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
- 「耐性がつく」は、ある環境や刺激などに対して耐える性質が備わること。
- 日常語の「慣れる」や医学用語の「免疫がつく」とは同じではない。
- 医薬品に関する耐性には複数の意味がある。服薬の変更は自己判断せず専門家に相談する。