- 読み方
- すうせいをしめる
- 使われる意味
- 特定の見方・方法・考え方などが、ある分野の主な流れとして広まっていること。
- 注意点
- 「趨勢」と「占める」は国語辞典に載るが、「趨勢を占める」はそれだけで数的な過半数を意味するとは限らない。
- 言い換え
- 主流になっている/大勢を占める/多数を占める/趨勢を形づくる。文脈に合わせて選ぶ。
「趨勢を占める(すうせいをしめる)」は、ある考え方や方法などが分野全体の主な流れになっていることを述べる文章で見られる表現です。ただし、「趨勢=多数」「占める=勢いがある」というように単純に分けて、固定的な意味を作るのは正確ではありません。
「趨勢(すうせい)」は、社会などがある方向へ動いていく勢い・全体的な流れのこと。「占める」は、全体の中で一定の地位や割合を持つことです。両方の意味を踏まえれば、ある見方がその分野で支配的・主流になっているという文脈で理解できます。
「趨勢を占める」の意味と読み方
読み方は「すうせいをしめる」です。『デジタル大辞泉』は「趨勢」をある方向へ動く勢いや社会などの全体の流れと説明しています。「占める」には、地位・位置を得ることと、全体の中で割合を持つことという意味があります。
「趨勢を占める」は、これらの語を組み合わせて使われる言い方ですが、一般的な辞書で独立した一語・慣用句として確立した見出しがあることまでは確認していません。実際の用例に即して理解することが重要です。
大切な区別
「ある設計思想が趨勢を占める」=その設計思想が分野の主な流れになっている。
「ある設計思想を支持する回答者が多数を占める」=調査対象の中で支持者の数や割合が多い。
前者は流れや方向性、後者は数量や割合に注目します。
「趨勢を占める」の使用例と自然な例文6選
次の例文は、特定の調査結果や社会の現状を断定するものではなく、表現の使い方を示すための架空の場面です。
- 研究の紹介文には、「この分野では実験的な方法が次第に趨勢を占めるようになった」と記されていた。
- かつて主流だった考え方に代わり、新しい設計思想が趨勢を占めていると筆者は論じた。
- 講演者は、業界で少人数のチームを重視する発想が趨勢を占めつつあると説明した。
- 報告書では、従来の手法よりも対話を重んじる方法が趨勢を占めると指摘されていた。
- 議論が長く続く中で、慎重に進めるべきだという考えが趨勢を占めていった。
- この学校では、実践的な学びを取り入れる方針が教育改革の趨勢を占めていると担当者は説明した。
ただし、一つの言葉が実際にどれほど定着しているかは用例によって異なります。不自然に聞こえる場面では、「主流になっている」「大勢を占めている」のように言い換える方が伝わりやすいこともあります。
「趨勢を占める」は日本語として正しい?
「趨勢を占める」という組み合わせは、出版物や学術的な文章でも見られます。そのため、使われない誤った日本語と一律に断定するのは適切ではありません。
ただし、「趨勢」はもともと方向性・流れを意味するため、たとえば「調査で賛成者が70%だった」と言いたいだけなら、「賛成者が多数を占めた」と書く方が明確です。用例が存在することと、どの文章にも適することは別です。
「趨勢を占める」「多数を占める」「大勢を占める」の違い
| 表現 | 意味の中心 | 使い方 |
|---|---|---|
| 趨勢を占める | ある考え方・方法などが分野の主な流れとなる。 | 新しい考え方が趨勢を占める。 |
| 多数を占める | 全体の中で数や割合が多い。 | 賛成者が多数を占める。 |
| 大勢を占める | 多くの人・事柄が一定の側に属する。 | 慎重論が大勢を占める。 |
| 主流になる | 主だった考え方・方法として広く採用される。 | 新しい方式が主流になる。 |
| 趨勢を形づくる | ある流れや方向性の形成に関わる。 | 技術の変化が時代の趨勢を形づくる。 |
「多数を占める」は回答数などの割合を示したい場合に適しています。趨勢は一定期間の変化や全体の方向を示す言葉なので、数の多さだけでは説明しきれない場合があります。
「趨勢を占める」と「趨勢を左右する」はどう違う?
「趨勢を左右する」は、全体の流れ・成り行きに大きな影響を与えることです。「趨勢を占める」は、ある考え方などが主流となっている状態に注目する言い方です。
「新技術の普及が、業界の趨勢を左右する。」=普及の程度が今後の流れに影響する。
「新技術を取り入れる考え方が趨勢を占める。」=その考え方が分野の主な流れとなる。
意味の重点は流れへの影響と主流となる状態で異なります。
「趨勢を見極める」の方が自然な場面
ビジネスや社会の変化を分析する文章では、「時代の趨勢を見極める」「今後の趨勢を読む」などが、辞書にも用例のある自然な組み合わせです。
例えば「市場の趨勢を占めるか検討する」では意味が曖昧ですが、「市場全体の趨勢を分析する」なら、何をするのか明確になります。
ビジネス文書での言い換え方
曖昧な言い方
「電子化が趨勢を占める。」
方向性を述べるなら
「業界では電子化が主流になりつつある。」
割合を述べるなら
「調査対象のうち電子申請の利用者が過半数を占めた。」
数値を示す場合は、必ず実際の調査結果などに基づいて書きましょう。「勢いがある」と「多数派である」を自動的に同一視しないことが大切です。
使うときの注意点
「趨勢」は単なる「数が多いこと」ではありません。ある方向へ動く全体的な流れを表す語です。「多数を占める」「主流となる」「趨勢を左右する」など、書きたい内容に合った言い方を選びましょう。
よくある質問
「趨勢を占める」は何と読みますか?
「すうせいをしめる」と読みます。
「趨勢を占める」の意味は?
実際の用例では、ある見方や方法などが主流になっていることを表す場合があります。
「趨勢を占める」は誤用ですか?
使われている例があるため、一律に誤用とは断定できません。ただし「多数を占める」などの方が自然な文脈もあります。
「趨勢」とはどういう意味ですか?
社会などがある方向へ動いていく勢いや、全体的な流れのことです。
「趨勢を占める」と「多数を占める」の違いは?
前者は分野の主な流れ、後者は全体に占める数や割合の多さに重点があります。
まとめ
- 「趨勢を占める」は、特定の考え方が分野の主流になっていることを述べる用例がある。
- 「趨勢」は社会などの全体的な流れ、「占める」は地位・割合などを持つこと。
- 数量を表すだけなら「多数を占める」、方向性なら「主流になる」と書くと明確。