- 読み方
- きいのめ
- 意味
- 普通とは違っている、珍しい、不思議だと感じるような見方。
- よく使う形
- 奇異の目で見る/奇異の目を向ける/奇異の目にさらされる。
- 注意点
- 相手を異質な存在として扱う、否定的な印象を与える場合がある。
「奇異の目(きいのめ)」とは、ある人や出来事を普通とは違うものとして、不思議そうに、あるいは珍しがって見る態度を表す言い方です。「周囲から奇異の目で見られた」「彼の行動に奇異の目が向けられた」などと使います。
好奇心を含む場合もありますが、普通ではないと距離を置くような、否定的な響きを伴いやすい表現です。「目」そのものが特殊なのではなく、見る側の受け止め方を表しています。
「奇異の目」の意味と読み方
「奇異」は「きい」と読みます。『デジタル大辞泉』では、普通と様子が違っていることや、不思議なことと説明されています。「奇異の目」はその語を使って、人や物事を普通と違うと感じながら見ることを表した表現です。
なお「奇異の目」は辞書の見出しに必ず載る独立の慣用句として断定せず、「奇異」という語の用法から理解するのが適切です。
例を比べましょう。
「みんなが彼を見る」だけでは、なぜ見ているかは分かりません。
「みんなが彼を奇異の目で見た」なら、珍しい・普通と違うという意識を持って見たことを表します。
「奇異の目」の自然な例文6選
- 厳かな式典に派手な仮装姿で現れたため、周囲から奇異の目で見られた。
- 突然の発言に会場が静まり返り、何人かが奇異の目を向けた。
- 見慣れない形の道具を取り出すと、同僚たちは奇異の目でそれを眺めた。
- 初めて公開された試作機の独特な形状は、来場者から奇異の目で見られた。
- 大勢の前で唐突に歌い始めたので、一瞬奇異の目にさらされた。
- 彼女は周囲の奇異の目を気にせず、自分の新しい表現に挑戦した。
「奇異の目を向ける」は見る側の動作を、「奇異の目で見られる」「奇異の目にさらされる」は見られる側の立場を表します。気持ちを推測だけで断定しないためには、周囲の言動など文脈を示しましょう。
「奇異の目」「好奇の目」「冷たい目」の違い
| 言い方 | 意味の中心 | 例 |
|---|---|---|
| 奇異の目 | 普通と違うものとして不思議に見る。 | 珍しい行動に奇異の目を向ける。 |
| 好奇の目 | 知りたい・見てみたいという興味を込めて見る。 | 新しい発明を好奇の目で見る。 |
| 冷たい目 | 共感や温かさがなく、冷淡に見る。 | 失敗した人に冷たい目を向ける。 |
| 白い目 | 非難や軽蔑を込めて見る。 | 迷惑な行為に白い目を向ける。 |
| 疑いの目 | 事実かどうかを疑って見る。 | 説明に疑いの目を向ける。 |
「奇異」は不思議・珍しいという感覚に重点があり、「白い目」ほど明確な非難を含むとは限りません。「好奇の目」は興味の強さを表しますが、見る側が相手をどう扱ったかにより受け取られ方は変わります。
「奇異な目」と「奇異の目」は同じ?
「奇異の目」「奇異な目」は似た場面で使われます。「奇異な目」は見る目つき自体を形容しているようにも読めますが、「奇異の目で見る」は珍しがる見方を表す言い回しとして理解しやすい形です。
改まった報告なら「珍しそうに見られた」「不思議そうな視線を向けられた」のように、観察できることを具体的に書く方法もあります。
「奇異の目」は褒め言葉?
一般に、褒め言葉として使う表現ではありません。変わっている・不思議だという評価が含まれ、相手に疎外感を与える場合があります。ただし「奇異」は辞書上、通常と違って優れていることを表す古い用法もあるため、単語の意味を一つに限定するのも正確ではありません。
相手の独自性を褒めたいときは、「独創的」「新鮮な発想」「個性的」など、具体的に評価する方が適切です。
人について使うときの注意
服装や行動が自分の慣れたものと違うというだけで、本人が望ましくないことをしたとは言えません。文化や生活習慣の違いを「奇異」と決めつける表現は避け、誰が何をどう感じたのかを明らかにしましょう。
人の属性ではなく、観察できる状況を書く。「周囲の人から奇異の目で見られた」と述べるには、そのように受け止められた言動や反応が必要です。外見・出身地などを理由に、否定的な評価を一般化しないようにしましょう。
ビジネスではどう言い換える?
事実に近い表現へ
- 「新しい案は奇異の目で見られた」→「新しい案には戸惑いの声があった」
- 「彼の発想は奇異だ」→「従来とは異なる着眼点がある」
- 「奇異の目を向けられた」→「通常と異なる点について質問が寄せられた」
資料や会議録では、読み手によって意味がぶれやすい評価語より、具体的な反応や指摘を示す方が適切です。
よくある質問
「奇異の目」は何と読みますか?
「きいのめ」と読みます。
「奇異の目で見る」とは簡単に言うと?
相手を普通とは違う、珍しい、不思議だと感じながら見ることです。
「奇異の目」は悪い意味ですか?
否定的な印象を伴いやすいですが、必ずしも明確な非難を意味するわけではありません。
「好奇の目」とはどう違いますか?
「好奇の目」は知りたいという興味に、「奇異の目」は普通と違うという受け止め方に重点があります。
「奇異の目を向ける」の言い換えは?
「不思議そうに見る」「珍しそうに見る」「戸惑いの視線を向ける」など、状況に合わせて表現できます。
まとめ
- 「奇異の目」は普通と違うものとして、不思議そうに見る態度。
- 「好奇の目」「白い目」とは、見る側の気持ちの重点が異なる。
- 人を評価するときは、無用な決めつけを避けて具体的な事実を書く。