カレーは世界中で愛される料理であり、多くの国や地域で独自のアレンジが施されてきました。
特に、インドと日本のカレーは興味深い進化を遂げ、それぞれの文化や食文化の中で独自の特色を持つようになりました。
それでは、インドの伝統的なカレーと、日本で親しまれているカレーの違いやその背景について見ていきましょう。
「インドカレー」と「日本のカレー」の違い
インドカレーと日本のカレーは、見た目や食感、材料において大きな違いがあります。
インドのカレーはサラサラしたスープ状のものが多いのに対し、日本のカレーはとろみがたっぷりとしています。
この違いの背景には、カレーの歴史が影響しています。
カレーはインドからヨーロッパ、特にイギリスやフランスに伝わった際、西洋の料理技法と結びつきました。
具体的には、西洋でのカレーは小麦粉をバターやオリーブオイルで炒め、独自に開発されたカレー粉を加えてカレールウを作る方法が主流となりました。
この西洋式のカレーが日本に伝わり、その結果、日本のカレーもとろみのあるルウベースのものが多くなりました。
一方、インドには小麦粉を使ってとろみを出すようなカレーは伝統的には存在しないのです。
もちろん、インドのカレーにもとろみのあるものはありますが、それはオクラやジャガイモなどの具材から自然に出るもので、小麦粉を加えることは一般的ではありません。
まとめ
カレーは、地域ごとに異なる特色を持つグローバルな料理であり、インドと日本のカレーはその最たる例です。
インドのカレーは、その伝統的なレシピに基づき、具材の自然なとろみを生かしたサラサラとしたものが主流。
対照的に、日本のカレーはヨーロッパ経由での影響を受け、とろみのあるルウベースが特徴です。
この違いは、歴史的背景や料理文化の交流に起因しており、それぞれの地域での食の進化を物語っています。
項目 | インドカレー | 日本のカレー |
---|---|---|
基本的な特徴 | サラサラしたスープ状 | とろみタップリ |
とろみの由来 | オクラやジャガイモなどの具材からの「結果的」なとろみ | 小麦粉を使ったルウによるとろみ |
歴史的背景 | インド原産 | ヨーロッパを経て日本に伝わる |
ヨーロッパでの影響 | – | イギリスやフランスでルウを使ったカレーが普及 |
ルウの特徴 | 小麦粉を使ったカレーはない | 小麦粉をバターやオリーブオイルで炒めてカレールウを作成 |
日本への伝播の経緯 | – | 幕末から明治にかけて、イギリス人により日本に伝えられた |