- 読み方
- くいちがい
- 意味
- 意見・説明・事実などが一致しないこと。また、その一致しない点。
- よく使う形
- 認識の食い違い/意見の食い違い/説明に食い違いがある。
- 注意点
- 食い違いがあるだけで、どちらかがうそをついているとは限らない。
「食い違い(くいちがい)」とは、本来一致するはずの意見・認識・説明・数字などが、うまく合わないことです。「双方の説明には食い違いがある」「認識の食い違いを解消する」のように使います。
例えば、同じ打ち合わせの内容について、担当者が「水曜日までに提出する」と理解し、別の担当者が「金曜日まででよい」と理解していた場合、期限の認識に食い違いがあると表せます。
「食い違い」は必ずしも対立や故意の虚偽を意味する言葉ではありません。情報の受け取り方や前提条件が異なるだけの場合にも使います。
「食い違い」の意味・読み方
「食い違い」は「くいちがい」と読みます。『デジタル大辞泉』には、食い違うこと・その点という意味に加えて、塀や土手などが互い違いになるように造られていることという意味も載っています。
一般的な会話やビジネス文書では、「意見の食い違い」「説明の食い違い」のように、一致すべき内容が合っていないという意味で用いられることが多いでしょう。
一文で覚える
「聞いていた集合場所と、案内メールに書かれた場所に食い違いがあった。」
これは、二つの情報の内容が一致していないという意味です。どちらが正しいかは、別に確認する必要があります。
「食い違い」の自然な例文6選
- 二人の証言には食い違いがあり、事実関係を改めて確認することになった。
- 会議で決めた納期について、営業担当と制作担当の認識に食い違いが生じていた。
- 募集要項と担当者の説明に食い違いがあったため、正式な条件を文書で確認した。
- 夫婦で教育方針に食い違いがあったが、時間をかけて話し合った。
- 見積書と請求書の金額の食い違いに気づき、経理担当へ問い合わせた。
- 調査結果の解釈に食い違いは残るものの、数値そのものについては合意できた。
「食い違いがある」「食い違いが生じる」「食い違いを解消する」「食い違いが見つかる」のように使います。何と何が一致していないかを明らかにすると、伝わりやすくなります。
「食い違い」「齟齬」「行き違い」「相違」の違い
| 表現 | 意味の中心 | 例文 |
|---|---|---|
| 食い違い | 意見・説明・認識などが一致しないこと。 | 説明に食い違いがある。 |
| 齟齬(そご) | 物事がうまくかみ合わないこと。 | 双方の認識に齟齬が生じた。 |
| 行き違い | 連絡や意思の伝達がうまくいかず、誤解などが生じること。 | 連絡の行き違いがあった。 |
| 相違 | 二つ以上の物事の間に違いがあること。 | 記載内容に相違がある。 |
| 矛盾 | 二つの事柄が両立せず、つじつまが合わないこと。 | 説明の前後に矛盾がある。 |
「食い違い」と「齟齬」は意味が非常に近い言葉です。ただし、「食い違い」は日常会話でも使いやすく、「齟齬」はやや改まった文脈でも使われます。「行き違い」は連絡の伝わり方や意思疎通の失敗を強調しやすい表現です。
一方「矛盾」は単なる相違ではなく、内容が互いに両立しないことに重点があります。意見が違うだけで必ず矛盾するわけではありません。
「食い違い」と「食い違う」の違い
「食い違い」は名詞、「食い違う」は動詞です。指している内容は近いですが、文章の作り方が変わります。
| 語 | 自然な使い方 |
|---|---|
| 食い違い | 「二人の意見には食い違いがある。」 |
| 食い違う | 「二人の意見が食い違っている。」 |
| 食い違った | 「食い違った説明を調整する。」 |
「二人の意見に食い違うがある」とは言いません。名詞には「食い違いがある」、動詞には「意見が食い違う」のように組み合わせましょう。
ビジネスで認識の食い違いが起きたら?
業務上は、依頼内容・納期・担当範囲・金額などで食い違いが起きやすくなります。まず、双方が何を理解していたかを整理し、どの情報を正式なものとするか確認することが大切です。
そのまま使える確認メールの例
「先日のお打ち合わせ内容について、納品日の認識に食い違いがある可能性がございます。弊社では〇月〇日を予定しておりましたが、貴社のご認識を改めて確認させていただけますでしょうか。」
確認したい事実を具体的に示せば、相手を非難せずに話を進めやすくなります。必要に応じて議事録やメールなどの記録を照合しましょう。
「食い違いが生じた」は誰かのミスという意味?
必ずしもそうではありません。同じ説明を聞いていても、前提条件が異なれば解釈に差が出る場合があります。また、一方の情報が更新され、他方に反映されていないこともあります。
「食い違い」を見つけたことだけで、どちらかの悪意・虚偽・不注意を断定するのは避けましょう。何を根拠に違いが生じたのかを確かめることが重要です。
「意見の食い違い」と「対立」は同じ?
「意見の食い違い」は、意見が一致しない状態です。「対立」は、互いに反対の立場をとったり、譲らずに張り合ったりする状態に重点があります。
例えば、イベントの開催日について別々の希望があるだけなら「意見の食い違い」で十分です。互いに譲らず、議論が激しくなっている場合は「対立している」と表すこともできます。
使うときの注意点
「食い違い」と「うそ」を混同しない
証言や説明に食い違いがあっても、記憶違い、情報の更新、前提条件の違いなど複数の可能性があります。事実が確認できない段階で「相手がうそをついた」と書かないようにしましょう。また、「筋違い」「場違い」「畑違い」は別の意味をもつため、類義語として機械的に置き換えることはできません。
よくある質問
「食い違い」は何と読みますか?
「くいちがい」と読みます。
「食い違い」とは簡単に言うと?
二つ以上の意見・説明・認識などが一致していないことです。
「食い違い」と「齟齬」は同じ意味ですか?
非常に近い意味です。「齟齬」の方が改まった文章で使われることもあり、どちらも物事がうまくかみ合わないことを表します。
「行き違い」と「食い違い」はどう違いますか?
「行き違い」は連絡・意思疎通がうまくいかなかったこと、「食い違い」は結果として意見や内容が一致しないことに重点があります。
「食い違い」の反対に近い言葉は?
「一致」「合致」などがあります。文脈に応じて「認識が一致する」「説明が整合する」と表せます。
まとめ
- 「食い違い」は意見・認識・説明などが一致しないこと。
- 「齟齬」「行き違い」「矛盾」は似ていても、重点が異なる。
- 食い違いがあるだけで、どちらかの故意やうそを意味するわけではない。