- 読み方
- くいさがる
- 意味
- 強い相手や難しい状況に対して、簡単には諦めず粘り強く立ち向かったり追及したりすること。
- よく使う形
- 質問して食い下がる/強豪に食い下がる/納得できず食い下がる。
- 注意点
- 粘り強さを評価する場面もあるが、断られても相手に迫り続けると否定的に受け取られる。
「食い下がる(くいさがる)」とは、相手が強かったり簡単には応じなかったりしても、粘り強く立ち向かい、最後まで諦めずに追及することです。「記者が疑問点を重ねて質問し、食い下がった」「格上の相手に最後まで食い下がった」のように使います。
「食い下がる」は、簡単に引き下がらない姿勢を表します。そのため、スポーツで粘ることを褒める場合もあれば、相手の断りを受け入れず強引に迫る行動を批判する場合もあります。
「食い下がる」の意味と読み方
「食い下がる」は「くいさがる」と読みます。『デジタル大辞泉』には、主に次の三つの意味が載っています。
| 意味 | 説明 |
|---|---|
| 文字どおりの動作 | 物に食いついてぶら下がり、離れないこと。 |
| 比喩的な意味 | 強い相手に粘り強く立ち向かい、どこまでも争う、追及すること。 |
| 相撲の用語 | 相手の胸に頭をつけて前みつを引き、腰を低くして組むこと。 |
日常生活やビジネス、スポーツの記事では、相手に粘り強く向き合うという二番目の意味が特によく使われます。漢字の字面だけで「食事に関する表現」と判断しないようにしましょう。
「食い下がる」の自然な例文6選
- 記者は説明の曖昧な点について、納得できる答えを得るまで食い下がった。
- 格上のチームを相手に、選手たちは試合終了まで食い下がった。
- 担当者の提案を一度断られても、条件を見直して交渉を続け、粘り強く食い下がった。
- 質問に答えてもらえず、彼は論点を整理してもう一度食い下がった。
- 予想以上に実力差があったが、若手選手は簡単には諦めず食い下がった。
- 説明を受けても疑問が残ったため、参加者は具体的な資料の提示を求めて食い下がった。
「誰に食い下がるのか」「何を知りたい・実現したいのか」を示すと文章が具体的になります。ただし、「食い下がる」は粘り強い行動全般を褒める言葉ではなく、行動の仕方によって印象が変わります。
「食い下がる」「粘る」「食らいつく」「引き下がる」の違い
| 表現 | 意味の中心 | 例文 |
|---|---|---|
| 食い下がる | 強い相手にも引かず、粘り強く追及・抵抗する。 | 説明に納得できず食い下がる。 |
| 粘る | 簡単には諦めず努力や交渉を続ける。 | 時間いっぱい粘って解決する。 |
| 食らいつく | 逃さずしっかり取りつく。比喩的に勢いよくついていく。 | 首位チームに食らいつく。 |
| 引き下がる | 主張や要求をやめて退く。 | 十分な説明を受けて引き下がる。 |
| 追及する | 疑問・責任などを厳しく問いただす。 | 説明の食い違いを追及する。 |
「食い下がる」と「粘る」は近い言葉ですが、「食い下がる」は相手に対して簡単には引かないというニュアンスが出やすい言い方です。「粘る」は努力や作業全般に広く使えます。
また「引き下がる」は、主張を取り下げたり要求をやめたりすることです。意味が対照的になる場面もありますが、すべての文脈で厳密な反対語になるわけではありません。
「食い下がる」は褒め言葉?悪い意味?
文脈によって印象が変わります。スポーツでは、格上の相手に諦めず挑む粘り強さを評価して「よく食い下がった」と言うことがあります。
一方、相手が断っているのに一方的な要求を繰り返すときは、「いつまでも食い下がって困らせた」のように否定的に使われることがあります。
二つの使い方
「後半も最後まで食い下がり、一点差まで迫った。」=相手に粘り強く挑んだことを評価。
「説明を受けても納得せず、担当者に何度も食い下がった。」=行動を説明する言い方で、状況によって強引な印象にもなる。
ビジネスで「食い下がる」を使うときの注意点
交渉や会議で自分の意見を簡単に取り下げない場合に使えます。ただし、相手の立場や明確な拒否を無視して要求を続けることを、単純に「粘り強さ」と評価するのは適切ではありません。
例えば、条件が合わない取引先に対しては「再提案の機会をいただけないでしょうか」と相談することはできますが、断られた後も執拗に連絡を続けることは相手の負担になり得ます。適切な交渉と無理な押しつけを区別しましょう。
仕事の文章で言い換えるなら
- 「納得できるまで食い下がった」→「疑問点を整理し、追加説明を求めた」
- 「取引先に食い下がった」→「条件を再検討したうえで、改めて提案した」
- 「最後まで食い下がった」→「最後まで粘り強く交渉した」
後者のように具体的な行動を示すと、誤解を避けやすくなります。
「食い下がる」は相撲でも使う?
はい。相撲では、相手の胸に頭をつけ、前みつを引いて腰を低くして組むという専門的な意味があります。これは「質問して食い下がる」とは別の、競技中の体勢・技術に関する用法です。
同じ語が使われていても、一般的な比喩表現と相撲用語を分けて理解しましょう。
「食い下がってくる」と言われたら?
「相手が簡単には諦めず、さらに説明や回答を求めてくる」という意味です。批判的な印象を含むこともありますが、それだけで相手の要求が不当と決まるわけではありません。
説明を求められた側は、正当な疑問であれば丁寧に答えることが大切です。一方、繰り返しの要求が過度な負担になっている場合には、対応範囲を明確に伝える必要があります。
使うときの注意点
相手の拒否を無視する行動まで肯定しない
「食い下がる」には粘り強い姿勢を表す意味がありますが、相手が明確に拒否した場合に、繰り返し要求したり迫ったりすることを正当化する言葉ではありません。文脈によっては、敬意や配慮の不足を批判する表現になります。
よくある質問
「食い下がる」は何と読みますか?
「くいさがる」と読みます。
「食い下がる」とは簡単に言うと?
相手が強くても簡単には諦めず、粘り強く立ち向かったり追及したりすることです。
「食い下がる」は悪い意味ですか?
必ずしも悪い意味ではありません。スポーツでは粘り強さを評価することもありますが、相手を困らせる行動には否定的に使われます。
「食い下がる」と「粘る」は同じですか?
似ていますが、「食い下がる」は相手に簡単には引かず追及するという意味を強く出しやすい言葉です。
「食い下がる」は相撲用語でもありますか?
はい。相手の胸に頭をつけ、前みつを引いて腰を低く組むという用法があります。
まとめ
- 「食い下がる」は、相手に粘り強く立ち向かい、簡単には引かないこと。
- スポーツでは肯定的、無理な要求では否定的な文脈になることがある。
- 「粘る」「追及する」と似ているが、相手に対して引かないという重点がある。