「能率」と「効率」は、共に仕事の成果や進行具合を示す言葉として用いられるが、その評価の基準には明確な違いが存在します。
この記事では、「能率」と「効率」の違いをわかりやすく簡単に解説します。
「能率」と「効率」の意味・違い
「能率」とは
「能率」は、時間を基準にして評価されます。
具体的には、一定の時間内にどれだけの仕事が進められたか、またはどれだけの成果が上がったかを示すものです。
例えば、一時間にどれだけの商品を製造できるかや、一日でどれだけの作業を完了できるかなどがこの範疇に入ります。
したがって、能率が高いとは、与えられた時間内で多くの仕事や成果を達成できる状態を指します。
「効率」とは
一方、「効率」は、用いたリソースやコストとの関係性で評価されます。
これは、使われたエネルギーや投資された資金、あるいはかかった労力に対して、どれだけの成果が得られるかを示す指標となります。
製品を一つ作るのに必要な原材料のコストや、プロジェクトを完成させるための総経費などが考慮されるポイントです。
近年では、「コストパフォーマンス」や「コスパ」としても言及されることが多いです。
「能率」と「効率」は混同しやすいので注意
能率と効率は、状況や文脈によって似たような使われ方をすることがあるため、混同しやすいです。
しかし、核となる評価の基準が異なるため、適切に使い分けることが重要です。
効率は「労力やリソースとの成果のバランス」を、能率は「時間と成果のバランス」をそれぞれ意味しています。
そして、どちらも一致するとは限らず、能率が高い作業が必ずしも効率が良いとは言えないことを理解することが大切です。
「能率」と「効率」の違い!表で簡単まとめ
表を使って、それぞれの違いや特徴をカンタンにまとめるでー!
能率 | 効率 | |
---|---|---|
基準 | 時間 | 使われたリソースやコスト |
定義 | 一定の時間内にどれだけの成果が得られるか | 費やしたリソースやコストに対して、どれだけの成果が得られるか |
例 | 1時間で5枚の原稿 vs 30分で5枚の原稿 | 10人で1,000万円の仕事 vs 5人で1,000万円の仕事 |
評価 | 一定時間内に多くの成果 = 能率が良い | リソース少なく多くの成果 = 効率が良い |
- 「能率」は時間を基準として、その時間内にどれだけの成果を得るかを示す。
- 「効率」は使用したリソースやコストを基準にして、それに対してどれだけの成果を得るかを示す。
- 能率が高い場合、与えられた時間内で多くの作業や活動を完了できる。
- 効率が高い場合、使われたリソースや労力で最大の成果を得ることができる。
- 両者は異なる基準で評価されるため、必ずしも一致しないことがある。