- 読み方
- こいえからひをだす
- 意味
- 大した問題ではないと見過ごしていた人や事柄が、思いがけず大きな出来事のきっかけになるというたとえ。
- 別の形
- 小家から火をおこす。
- 出典
- 『精選版 日本国語大辞典』には仮名草子『悔草』(1647年)の用例が記載されている。
「小家から火を出す(こいえからひをだす)」とは、目立たず、問題にされていなかった人や小さな事柄から、思いがけない大きな出来事が生じることを表すことわざです。
小さな家から出た火でも、やがて大きな火事になり得るというたとえに基づきます。『精選版 日本国語大辞典』では、問題にもしていなかった者が意外なことをしでかすという意味で説明されています。単に「怒りっぽい人」を指す言葉ではありません。
「小家から火を出す」の意味と読み方
「小家」は「こいえ」と読み、「小家から火を出す」全体では「こいえからひをだす」と読みます。「小家から火をおこす」という形もあります。
本来のたとえは、粗末で小さな家を火元として大きな火事が起こることです。これを比喩として、軽く見ていたものから意外に大きな出来事が起こることを言い表します。
誤解しやすい点
「小家から火を出す」=「小さいけんかで怒り出すこと」ではありません。
小さく見過ごしたことが、後に大きな問題や予想外の展開を引き起こすという点が重要です。
「小家から火を出す」の自然な例文6選
- 小さな不具合だと放置した結果、業務全体が止まる事態になり、小家から火を出すとはこのことだと反省した。
- 一件の苦情を軽く見たために問題が拡大し、小家から火を出す結果になった。
- 取るに足らない話だと思っていたが、騒動の発端を知り、小家から火を出すという言葉を思い出した。
- 小さな誤解を放置しないことが大切だ。小家から火を出すような事態になりかねない。
- 普段は目立たない人の発言が大きな議論を巻き起こし、小家から火を出すとはこういうことかと驚いた。
- 関係者は些細な変更を軽視していたが、思わぬ混乱が広がり、小家から火を出すのたとえが当てはまった。
例文では「何を小さなことと見ていたのか」「どのように大きな出来事につながったのか」を示しています。人を一方的に見下す意味で使わないことも大切です。
「小家から火を出す」の由来と出典
『精選版 日本国語大辞典』は、小さな小屋から火事が起き、それが大事になるというたとえとして説明しています。同辞書には、1647年の仮名草子『悔草(くやみぐさ)』を初出の実例として記載しています。
「小家から火を出す」という考え方には、小さなことも軽視しないという教訓があります。ただし、いつ・誰が初めて作ったことわざかまでは、この用例だけから断定できません。
「小家から火を出す」と似たことわざの違い
| 表現 | 意味の中心 | 違い |
|---|---|---|
| 小家から火を出す | 軽く見ていた人・事柄から予想外の大きな出来事が起こる。 | 見過ごしていたところがきっかけになる。 |
| 大事は小事より起こる | 大きな問題も小さな出来事から始まる。 | 小さな原因への注意を促す。 |
| 油断大敵 | 油断は大きな失敗を招く。 | 油断そのものへの警戒が中心。 |
| 火のない所に煙は立たぬ | うわさなどには何らかの原因があるというたとえ。 | 大事件への発展ではなく、うわさの原因に注目。 |
| 蟻の穴から堤も崩れる | 小さな欠陥を放置すると大きな失敗になる。 | 小さな欠陥の危険を強調。 |
これらは似た教訓を含みますが、全く同じ意味ではありません。「小家から火を出す」には、予想していなかった人や場所から大きな出来事が起こる意外性があります。
「小家から火を出す」は悪いことだけ?
辞書で典型的に説明されるのは、意外な出来事が大事になるという用法です。「火事」という比喩から、問題や騒動の拡大を指す場面で使いやすいでしょう。
ただし、重要な点は「思いがけない大きなことをしでかす」という意外性です。人の価値を出身や立場で決めつける表現として理解するのではなく、軽視したことが予想外の事態へつながるというたとえとして捉えましょう。
仕事での使い方と言い換え
管理や品質確認の話題では、軽視した小さな問題から大きなトラブルが起きた状況に当てはめることができます。ただし「小家から火を出す」は古風なことわざであり、日常の業務報告では具体的な説明が適する場合があります。
ことわざを使う場合:「小家から火を出すという。軽微な不具合も見過ごすべきではない。」
業務報告の場合:「初期に確認された不具合への対応が遅れ、障害の範囲が拡大しました。」
事実に基づく報告では、何が原因だったのかを明らかにしましょう。
「小家」は貧しい人を指して非難する言葉?
たとえの背景には小さく粗末な家がありますが、現代の文章で貧しい人や目立たない人を、もともと問題を起こす人々だと決めつけるのは不適切です。
偏見として使わない。小さな原因や見過ごされた状況から予想外の出来事が起こるという意味に着目し、特定の人々への侮辱に使わないようにしましょう。
よくある質問
「小家から火を出す」は何と読みますか?
「こいえからひをだす」と読みます。
「小家から火を出す」の意味は?
軽く見ていた人や小さな事柄から、思いがけない大きな出来事が起こることのたとえです。
「小家から火を出す」の由来は?
小さな家から出た火でも大きな火事になるというたとえに基づきます。
「小家から火を出す」の出典は?
『精選版 日本国語大辞典』には、仮名草子『悔草』(1647年)の実例が載っています。
「大事は小事より起こる」と同じですか?
近い意味ですが、「小家から火を出す」は見過ごされた人や場所からの意外な出来事という側面もあります。
まとめ
- 「小家から火を出す」は小さく見ていた人や事柄から大きな出来事が起きるたとえ。
- 『精選版 日本国語大辞典』には『悔草』の古い用例が記載されている。
- 小さなことへの注意を促す場合に使えるが、人への偏見や侮辱として使わない。