「蜃気楼」と「陽炎」の違い!「逃げ水」とは?わかりやすく解説

「蜃気楼」と「陽炎」の違い!「逃げ水」とは?わかりやすく簡単に解説

「蜃気楼」と「陽炎」は、共に光の屈折による自然現象であるが、その発生原因や観察される特徴には大きな違いがあります。

違いの博士
この記事では、「蜃気楼」と「陽炎」の違いをわかりやすく簡単に解説します。

「蜃気楼」と「陽炎」の意味・違い!「逃げ水」とは?

意味・違い

「蜃気楼」とは

蜃気楼
ユタ州・グレートソルト湖の蜃気楼(浮島現象)

蜃気楼は、大気の下層における気温や空気の密度の変動によって生じる光の異常屈折現象です。

この温度や密度の変動によって、遠くの物体や風景が実際の位置からずれて見えることや、存在しないものが実在するかのように映ることがあります。

たとえば、地面の温度が高い場合、前方の物体が低い位置に見えることがある一方、地面の気温が低い場合は、物体が実際より高い位置に見えることがあります。

海上や砂漠など、広い平面のある場所で特にこの現象は観察されやすく、日本の富山湾の蜃気楼はその代表例として知られています。

「陽炎」とは

陽炎
飛行機の排熱と日射でできた陽炎

一方、陽炎は、地面や物体が強い日差しによって熱せられた際にその上空で観察されるゆらぎやゆらめきの現象です。

地面などからの熱により、空気が局所的に熱せられて上昇することで、空気の密度が不均一となり、その結果光の屈折率が変化します。

これにより、遠方の物体が揺れるように見えたり、形が歪むことが特徴的です。

特に、アスファルトの路面や車の屋根など、熱を蓄えやすい場所でこの現象はよく観察されます。

「逃げ水」とは

逃げ水
逃げ水現象

また、蜃気楼と関連する現象として「逃げ水」があります。

これは、強い日射によって地面が熱せられることで、遠くに水たまりがあるかのように見えるものです。

逃げ水は「下位蜃気楼」として知られる蜃気楼の一種で、地面の熱によって下層の空気の密度が低くなり、上下の空気の密度差が生じることが原因です。

ポイント
要するに、蜃気楼は大気の下層の気温や密度の変動によるもので、物体が浮かんで見えることや逆さに映ることが特徴であり、陽炎は地面の熱による空気の局部的な密度変化が原因で、物体が揺れたり歪んで見える現象です。

「蜃気楼」と「陽炎」の違い!表で簡単まとめ

助手ねこ
表を使って、それぞれの違いや特徴をカンタンにまとめるでー!
項目 蜃気楼 陽炎
原因 下層大気の気温傾度や密度差による異常屈折 地面や物体が直射日光で熱せられ、熱と冷たさの異なる空気が混在し屈折する
現れる形 遠くの物体や風景が実際の位置からずれたり、逆さに映る 空気中のゆらぎやゆらめき、遠方の物体が細かく揺れるように見える
起こる場所 海上、砂漠、富山湾などの広い平面が広がる場所 任意の場所、特にアスファルトや車の屋根などの熱を蓄えやすい場所
富山湾の蜃気楼(雪解けの冷水と温暖な空気の流れによる気温逆転層が形成される) 日差しが強いときにアスファルトや自動車の屋根上での揺らぎ
関連現象 逃げ水(強い日射による地面の熱で見える「下位蜃気楼」、遠くに水たまりのように見える)
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