「心肺停止」と「死亡」は、特定の文化や法制度の中で異なる意味合いを持つ概念です。
この記事では、「心肺停止」と「死亡」の違いをわかりやすく簡単に解説します。
「心肺停止」と「死亡」の意味・違い
「心肺停止」とは
「心肺停止」とは、心臓の動きと呼吸が一時的に停止した状態を指します。
心音や呼吸の有無を確認することで、この状態を判別できます。
しかし、心肺停止が起こっても、心臓マッサージ、AED(自動体外式除細動器)の使用、人工呼吸などの救命措置により、生命を取り戻す可能性があります。
ただし、心肺停止が続くと、脳への血流が途絶え、4~5分後には酸素不足により脳に回復不能な障害が生じるリスクが高まります。
そのため、心肺停止状態になった際には、迅速な対応が必要となります。
「死亡」とは
一方、「死亡」は、生命活動が永久的に終了した状態を示します。
日本においては、死亡を正式に宣言するためには、心停止、呼吸停止、脈拍停止、そして瞳孔散大という4つの判断基準を満たす必要があります。
このうち、瞳孔散大は、瞳(黒目)が光の強度に関わらず広がったままの状態を指します。
そして、これらの条件を全て満たした上で、医師が死亡を正式に宣言することで、法的な「死亡」と認定されます。
メディア報道
日本のメディアでは、「心肺停止」という表現が一般的に用いられます。
これは、医師の死亡宣言がされる前の状態、つまり生命活動が停止しているが、まだ法的に死亡とは認定されていない状態を指します。
一方、日本とは手順や基準が異なる国々のメディアでは、同じ事例において「死亡」と報道されることが多いです。
ポイント
総じて、心肺停止は生命の活動が一時的に停止している状態、死亡は生命の活動が永久的に終了した状態を指すものとなります。
「心肺停止」と「死亡」の違い!表で簡単まとめ
表を使って、それぞれの違いや特徴をカンタンにまとめるでー!
項目 | 心肺停止 | 死亡 |
---|---|---|
定義 | 心臓と呼吸の活動が止まった状態 | 心臓、肺、脳の3つの主要な臓器が不可逆的に機能停止した状態 |
判定 | 心音や呼吸の有無の確認 | 心停止、呼吸停止、脈拍停止、瞳孔散大の4つの判断基準 |
蘇生可能性 | 適切な処置(心臓マッサージ、AED、人工呼吸)により可能 | 不可能 |
リスク | 4~5分以内に重大な脳損傷のリスクあり | 恒久的な機能停止 |
日本の報道 | 医師の死亡確認前の状態を指す | 心臓、肺、脳の3つの主要な臓器が不可逆的に機能停止後に宣言される |
海外との違い | 日本の「心肺停止」は海外で「死亡」と報道されることがある | 報道手順や認定方法に国ごとの違いが存在 |
社会死 | – | 救急隊や警察が一般的な判断基準に基づく「社会死」を用いる場合あり |