- 読み方
- ごこうじょう
- 意味
- 相手の厚い情け、心からの深い思いやりや親切を敬って表す言葉。
- よく使う形
- 「格別のご厚情を賜り」「在任中に賜りましたご厚情に感謝いたします」
- 「ご厚意」との関係
- 辞書上の意味は非常に近い。「ご厚情」は改まった挨拶文やお礼状で見られやすい。
- 注意点
- 必ずしも長年の支援だけを意味するわけではない。誰から、どのような思いやりを受けたかに合わせて使う。
「ご厚情(ごこうじょう)」は、相手から寄せられた深い思いやりや親切を敬って表す、改まった言葉です。「平素より格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます」「在任中に賜りましたご厚情に、心より感謝申し上げます」など、挨拶状やお礼の文章で使います。
似た言葉に「ご厚意」がありますが、辞書では「厚意」と「厚情」は互いに近い言葉として説明されています。「ご厚情は長年の支援だけ」「ご厚意は一度の親切だけ」といった厳密な使い分けはありません。どのような文脈で使われやすいのかを、例文とともに確認しましょう。
「ご厚情」の意味と読み方
「ご厚情」は「ごこうじょう」と読みます。『デジタル大辞泉』は「厚情」を、厚い情け、心からの深い思いやりの気持ちと説明しています。『精選版 日本国語大辞典』でも「親切」「厚志」「厚意」を近い意味の語として挙げています。
「ご厚情」は、そのような相手の温かな気持ちを丁重に受け止める言い方です。長年の支援に感謝するときによく合いますが、一度の大きな心遣いへのお礼にも意味としては使えます。
すぐに使える基本の形
- 日頃のお礼:「平素より格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 退任の挨拶:「在任中に賜りましたご厚情に、心より感謝申し上げます。」
- これからの決意:「皆様のご厚情にお応えできるよう、今後も努めてまいります。」
「ご厚情」の自然な例文6選
- 取引先への挨拶:「平素は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。」
- 異動のお礼:「在任中に賜りました温かいご厚情に、心より御礼申し上げます。」
- 退任の挨拶:「皆様のご厚情に支えられ、今日まで務めることができました。」
- 年末の挨拶:「本年も格別のご厚情を賜りましたこと、深く感謝いたします。」
- 手紙のお礼:「お忙しい中、何度も親身になってご相談に応じてくださり、そのご厚情に感謝しております。」
- 感謝に応える決意:「これまでお寄せいただいたご厚情にお応えできるよう、今後も精進してまいります。」
いずれも相手から受けた親切や思いやりに着目した文です。「ご厚情」という言葉だけを重ねず、必要に応じて、相手が何をしてくれたのかを付け加えると温かな感謝が伝わります。
「ご厚情」「ご厚意」「ご高配」「ご厚誼」の違い
| 言葉 | 意味の中心 | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| ご厚情 | 深い思いやり、厚い情け。 | 「長年のご厚情に御礼申し上げます」 |
| ご厚意 | 相手が自分に示してくれた思いやりや親切心。 | 「ご厚意に甘えてお受けします」 |
| ご高配 | 相手の心配り・配慮。 | 「格別のご高配を賜りありがとうございます」 |
| ご厚誼(ごこうぎ) | 厚いよしみ、親しいつきあい。 | 「長年のご厚誼に感謝いたします」 |
『デジタル大辞泉』は「厚情」と「厚意」を互いに近い意味の語として扱っています。「厚情=継続した支援」「厚意=一度きりの親切」という決まりはありません。ただし、文章の慣用として「ご厚情」は、格式を重んじるお礼状や挨拶状で使われやすい傾向があります。
「ご厚誼」の「誼」は、よしみ・親しい付き合いを表します。深い親切を示す「ご厚情」と、親しい交際関係を示す「ご厚誼」は、意味の中心が異なります。読み方にも注意しましょう。
関連記事:「ご厚意」の意味と使い方、「ご高配」の意味と使い方
「ご厚情を賜り」は目上や取引先に使える?
使えます。「賜る(たまわる)」は、相手からいただくことを非常に改まって述べる言い方です。「ご厚情を賜り、誠にありがとうございます」は、相手から受けた親切に感謝する、丁寧な表現です。
ただし、「ご厚情を賜り」は自分が受け取った思いやりへの感謝なので、相手がまだ親切を示していない段階で、受けたことを前提とするお礼を書かないようにします。
お礼とお願いを分ける
これまでのお礼:「これまでに賜りましたご厚情に、心より感謝申し上げます。」
今後のお願い:「今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。」
「変わらぬ」を使う場合には、すでに相手との関係や支えがあることが前提になります。
「ご厚情をいただき」と「ご厚情を賜り」はどちらが正しい?
「ご厚情をいただき」「ご厚情を賜り」は、どちらも感謝を伝える文章で使えます。「賜る」はより改まった言い方なので、正式な挨拶文には「ご厚情を賜り」がよく合います。
| 言い方 | 使いどころ |
|---|---|
| 「温かいご厚情をいただき、ありがとうございます」 | 丁寧なお礼や手紙。 |
| 「格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます」 | 改まった案内状・挨拶状。 |
| 「ご厚情にお応えできるよう努めます」 | いただいた気持ちを受け、今後の決意を示す。 |
感謝を重ねたい場合も、「厚く御礼申し上げます」「心より感謝申し上げます」など、文全体が冗長にならない形を選ぶと読みやすくなります。
そのまま使える異動・退任の挨拶文
例① 異動のご挨拶
件名:異動のご挨拶
いつもお世話になっております。
このたび〇月〇日付で、〇〇部署へ異動することとなりました。
在任中は皆様から多くのご指導と温かいご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
新しい部署でも、これまでに学んだことを生かして努めてまいります。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
例② 退任のご挨拶
件名:退任のご挨拶
平素は大変お世話になっております。
このたび〇月〇日をもちまして、現在の役職を退くこととなりました。
在任中に賜りました格別のご厚情に、心より御礼申し上げます。皆様の温かいお支えが、大きな励みとなりました。
末筆ながら、皆様のご健康とますますのご活躍をお祈り申し上げます。
これらはあくまで文例です。異動先・退任日・後任者への引き継ぎなど、相手に必要な情報がある場合には、挨拶とは別に明確に記しましょう。
「今後とも変わらぬご厚情」は初めての相手に使える?
「変わらぬ」は、これまでの関係が今後も続くことを願う言い方です。そのため、初めて連絡する相手に「変わらぬご厚情」と書くと、事実と合わない場合があります。
初回のお問い合わせなら「このたびはご連絡いただき、ありがとうございます」、初めての依頼なら「ご検討いただけますと幸いです」など、実際の状況に合う表現を選びましょう。
「ご厚情」と「ご好意」は同じ?
「好意」には、相手を好ましく思う気持ちと、相手のためになりたいと思う親切心の二つの意味があります。親切心という意味では「ご厚情」と重なりますが、「ご厚情」は心からの深い思いやりを表す改まった語であり、恋愛感情を言い表す語ではありません。
「ご好意に感謝します」も、親切心へのお礼として使えます。「ご好意」は必ず恋愛感情を意味する、という断定は誤りです。文章全体から、好ましい気持ちを指すのか、相手への親切心を指すのか判断しましょう。
「ご厚情」は自分の親切にも使える?
「ご厚情」は、通常は相手から受ける厚い思いやりを敬う形です。自分が何かをする場合に「私のご厚情」のように表すのは不自然です。「お手伝いいたします」「可能な限り協力いたします」などの方が伝わりやすいでしょう。
なお、もとの語「厚情」は思いやりや親切そのものを表す名詞です。「ご」を付けた相手への敬語と、語そのものの意味を混同しないことが重要です。
注意点:「ご厚情」は、言葉が格式高いほど何にでも合うというわけではありません。相手との関係が浅い場合や日常の短いお礼では、「お心遣い」「ご配慮」「ありがとうございます」の方が自然なこともあります。感謝する事実と相手の立場に合わせて選びましょう。
よくある質問
「ご厚情」は何と読みますか?
一般的に「ごこうじょう」と読みます。辞書には「厚情」の歴史的な別の読み方も記録されていますが、現在の挨拶文では「こうじょう」が一般的です。
「ご厚情」とは簡単に言うと?
相手から寄せられた深い思いやりや親切を、敬って表す言葉です。
「ご厚情」と「ご厚意」はどう違いますか?
辞書上の意味は非常に近い言葉です。「ご厚情」は改まった挨拶状などでよく使われますが、意味に厳密な境界はありません。
「ご厚情を賜り」は目上に使えますか?
使えます。相手から受けた厚い思いやりに感謝する、格式の高い言い方です。
「今後とも変わらぬご厚情」は初めての相手にも使えますか?
「変わらぬ」はそれまでの関係を前提にするため、初回には通常向きません。実際の関係に合う挨拶を選びましょう。
「ご厚情」と「ご厚誼」は同じですか?
違います。「厚情」は深い思いやり、「厚誼(こうぎ)」は厚いよしみ・親しい交際関係を表します。
「ご厚情」は一度だけの親切にも使えますか?
使える場合があります。長年の支えへのお礼に向きますが、辞書上、継続的な親切だけに限られる言葉ではありません。
まとめ
- 「ご厚情」は、相手の深い思いやりや親切への敬意を表す言葉。
- 「ご厚意」と辞書上の意味が非常に近く、厳格な使い分けは不要。
- 挨拶状・退任の挨拶・改まったお礼で使われやすい。
- 「ご厚誼」は厚いよしみを表し、意味の中心が異なる。
- 相手との関係や実際の支えに合う文章にすることが大切。