- 読み方
- それそうおう
- 意味
- 示された状況・程度・量などにふさわしく、釣り合っていること。
- よく使う形
- それ相応の準備/それ相応の費用/それ相応に評価する。
- 「それ相当」との違い
- 辞書では基本的に同じ意味。無理に明確な違いを作る必要はない。
「それ相応(それそうおう)」は、示された条件や程度にふさわしいこと、釣り合いが取れていることを表します。「大きな仕事には、それ相応の準備が必要だ」のように使います。
「それ相当(それそうとう)」も近い表現ですが、辞書では「それ相応」と同じ意味として扱われます。「必ずこちらが正しい」と、根拠のない使い分けをする必要はありません。
「それ相応」の意味と読み方
「相応」は、物事の価値・質・量・程度などが釣り合い、ふさわしいこと。「それ相応」は、前に挙げた条件や対象に見合っている状態を表します。漢字では「其れ相応」とも書きますが、通常は「それ相応」で分かりやすく伝わります。
十分である・高価である・すばらしいという意味を必ず含むわけではありません。たとえば「経験にそれ相応の役割」は、経験に見合った役割という意味です。
「それ相応」の使い方・例文
- 大きな催しを開くには、それ相応の準備が必要だ。
- 新しい設備を導入するなら、それ相応の費用を見込んでおきたい。
- 難しい仕事を任せる場合は、責任にそれ相応の権限を持たせることも大切だ。
- 長く練習してきた成果を、それ相応に評価してほしい。
- その道具には、用途にそれ相応の丈夫さが求められる。
- 新しい役割には、それ相応の責任も伴う。
「それ相応の~」は名詞を修飾し、「それ相応に~」は評価や対応の仕方を説明します。
「それ相応」と「それ相当」の違い
| 表現 | 基本的な意味 | 例文 |
|---|---|---|
| それ相応 | 示された物事の程度・質・量に釣り合うこと。 | それ相応の費用がかかる。 |
| それ相当 | 「それ相応」とほぼ同じ意味。 | それ相当の理由が必要だ。 |
『精選版 日本国語大辞典』では「それ相当」を「それ相応」と同義として扱っています。したがって、「それ相当は必ず能力に関係し、それ相応は必ず金額に関係する」などの区別はありません。
ただし、単独の「相当(そうとう)」には「五千円相当の品物」のような価値の対応や、「相当疲れた」のような「かなり」の意味もあります。「相当」のすべての意味を「それ相当」に当てはめないことが大切です。
「それ相応」と「相応しい」「不相応」の違い
| 言葉 | 意味の中心 | 使い分け |
|---|---|---|
| それ相応 | ある条件・程度に釣り合う。 | それ相応の努力が必要だ。 |
| ふさわしい | ある目的・立場などによく合う。 | この場にふさわしい説明をする。 |
| 不相応 | 釣り合いが取れていない。 | 収入に不相応な支出。 |
| 見合った | 条件や価値と釣り合う。 | 負担に見合った報酬。 |
「釣り合っていない」と伝えたいときは「不相応」や「そぐわない」などが候補になります。「そぐわない」の意味と使い方も参考にしてください。
ビジネスでの使い方
費用・責任・能力・準備など、何に見合うのかを明示すると、あいまいさを減らせます。
「追加の作業が必要となるため、作業量に見合った費用をお願いしております。」
「それ相応の費用がかかります」だけでは金額が分からないので、見積もりや理由も併記すると丁寧です。
使うときの注意点
「それ相応の服装」は、催しの服装規定や気候・作業内容などに合った服装を指すこともできます。しかし、年齢だけを理由に「こういう服装をすべきだ」と断定するのは、言葉の意味の説明として適切ではありません。
「それ相応の能力がある」という文章も、評価の基準を示さなければ読み手によって理解が分かれます。何を基準に釣り合うのかを説明しましょう。
よくある質問
「それ相応」とは簡単に言うと?
「それに見合った」「それにふさわしい」という意味です。
「それ相当」との違いは?
基本的には同じ意味です。辞書でも同義として扱われるため、無理に区別する必要はありません。
「それ相応」は褒め言葉ですか?
必ずしも褒め言葉ではありません。ある条件や程度にふさわしいことを表す、中立的な言い方です。
「それ相応の覚悟」はどういう意味ですか?
取り組む物事の大変さ・責任などに見合った覚悟、という意味です。
まとめ
- 「それ相応」は、条件や程度にふさわしく、釣り合うこと。
- 「それ相当」は、辞書では基本的に同義。
- 何に見合っているかを具体的に述べると、正確に伝わる。
主な参考辞書・資料
- 『精選版 日本国語大辞典』「其相応」「其相当」
- 『デジタル大辞泉』「相応」「相当」