- 読み方
- ごいっこうください
- 意味
- 提案・意見・選択肢などについて、一度考えてみてほしいと丁寧に頼む言い方。
- 目上に使える?
- 使える。ただし、相手や文脈によっては「ご一考いただけますと幸いです」の方が柔らかい。
- 「ご検討」との違い
- 「一考」は一度考えてみること。「検討」は詳しく調べ、さまざまな面から吟味すること。
- 注意点
- 考えることをお願いする表現であり、採用・承諾・実施を求める意味までは含まない。
「ご一考ください(ごいっこうください)」は、「この案について、一度考えてみてください」と相手に丁寧にお願いする言い方です。新しい提案や、これまで検討されていなかった選択肢を取り上げてもらいたい場面などに向きます。
似た表現の「ご検討ください」とは、考える行為の重点が異なります。「ご一考ください」は、提案を受け入れてほしい、賛成してほしいという意味を直接表すものではありません。相手にどこまでの判断をお願いしたいかを明確にすると、誤解のないメールになります。
「ご一考ください」の意味と読み方
「一考」は「いっこう」と読みます。『デジタル大辞泉』と『精選版 日本国語大辞典』は「一考」を、一度考えてみることと説明しています。「ご一考ください」は、それを相手に丁寧にお願いする形です。
「一考」の「一」は、一度考えることを意味しますが、いい加減に考える・短時間で済ませる、という意味ではありません。相手に一度問題を取り上げて考えてもらうことが中心です。
使う場面を簡単に比較
「新しい案として、こちらもご一考ください。」=まず候補として考えてほしい。
「費用・納期・品質を比較したうえでご検討ください。」=条件を詳しく調べて判断してほしい。
「ご一考ください」の自然な例文6選
- 提案:「従来の方法に加え、今回ご紹介した案もぜひご一考ください。」
- 企画:「地域の方々が参加しやすい仕組みとして、こちらの企画をご一考いただけますと幸いです。」
- 働き方:「担当者の負担を減らす方法の一つとして、運用手順の見直しもご一考ください。」
- 取引先への依頼:「複数の選択肢をご用意しましたので、別紙の案についてもご一考いただければ幸いです。」
- 見直しの提案:「導入時期をずらすという選択肢も、ご一考いただけますでしょうか。」
- 会議資料:「研修の実施方法を見直す案をまとめました。次回の会議までにご一考いただけますと幸いです。」
「ご一考ください」とだけ書くのではなく、考えてほしい対象や、その案を挙げる理由を添えると自然です。相手の決定が必要な場面では、返答期限や求める行動も別に記しましょう。
「ご一考ください」「ご検討ください」「再考してください」の違い
| 表現 | 意味の中心 | 適する場面 |
|---|---|---|
| ご一考ください | 一度考えてみてほしい。 | まだ取り上げられていない案を提示する。 |
| ご検討ください | 詳しく調べ、多面的に考えてほしい。 | 条件・費用・実行可能性などを判断する。 |
| 再考してください | いったん考えたことを、もう一度考え直してほしい。 | すでに示された判断の見直しを求める。 |
| ご考慮ください | ある事情や条件を、判断の際に考え合わせてほしい。 | 日程の制約・事情などを踏まえてほしい。 |
| ご確認ください | 内容を確かめてほしい。 | 資料・数字・日付などの確認を依頼する。 |
『デジタル大辞泉』は「検討」を、よく調べて良否を考えること、「再考」をもう一度考え直すことと説明しています。「一考」は「再考」の言い換えではありません。すでに断られた企画を改めて考えてほしいときは「再度ご検討いただけますか」などと書くと意図が明確です。
詳しくは「ご検討ください」の意味・使い方もご覧ください。
「ご一考ください」は目上の人に失礼?
それ自体が失礼な敬語ではありません。ただし「ください」は相手に行動を求める形なので、相手との関係や依頼の重さによっては直接的に感じられることがあります。
特に、上司や重要な取引先に新たな選択肢を提示する場合は、相手の判断を尊重する形にすると穏やかに伝えられます。
| 言い方 | 印象・使いどころ |
|---|---|
| ご一考ください。 | 簡潔で丁寧。一般的な案内や提案に使える。 |
| ご一考いただけますと幸いです。 | 相手の意向を尊重する柔らかな依頼。 |
| ご一考くださいますようお願いいたします。 | 改まった文書や依頼状に向く。 |
| 一案としてご一考いただけないでしょうか。 | 複数の選択肢の一つとして控えめに提案する。 |
丁寧な文末でも、同じ依頼を何度も繰り返すと相手に圧力を感じさせる場合があります。敬語だけでなく、提案の仕方や説明内容にも気を配りましょう。
「ご一考いただけますと幸いです」を使ったメール文例
件名:業務手順の見直しについてのご提案
いつもお世話になっております。
現在の確認作業を効率化する方法として、添付の新しい手順をご提案いたします。
従来の方法とは異なる点もございますが、担当者の作業負担を減らす選択肢の一つとして、ご一考いただけますと幸いです。
ご不明な点がございましたら、補足資料をお送りします。何卒よろしくお願いいたします。
この例では、提案の目的を説明してから「ご一考」を使っています。もし採用するかどうかの回答が必要なら、「〇月〇日までにご意向をお知らせいただければ幸いです」といった一文を加えましょう。
「ご一考ください」は採用・承諾をお願いする表現?
いいえ。「ご一考」はまず考えてもらうことであり、採用・承諾・契約まで含むわけではありません。「一考いたします」という返事も、その案を取り入れると約束したことにはなりません。
依頼内容をはっきりさせる例
提案を知って考えてほしい:「選択肢の一つとして、ご一考ください。」
採用するか決めてほしい:「導入の可否について、〇月〇日までにご回答ください。」
後者のように結論を求める場合には、「ご一考ください」だけでは用件が足りない可能性があります。
「一考の余地がある」と「再考の余地がある」の違い
「一考の余地がある」は、一度取り上げて考えてみる価値があるという意味です。これに対し「再考の余地がある」は、以前の考え・判断をもう一度見直す余地があるという意味になります。
たとえば、初めて出た案について「一考の余地がある」と評価するのは自然です。すでに決めたことを見直すのであれば「再考の余地がある」と述べると、何をするのかが伝わります。
「ご一考ください」の言い換え方と注意点
普段のやりとりでは「ぜひ一度お考えください」「候補の一つとしてお考えいただけますか」といった言い換えも自然です。提案に対して比較検討を求めたい場合は「ご検討ください」が合います。
考えることと、結論を出すことは別です。採用・承諾・具体的な作業をお願いする場合には、何について、いつまでに、どのような返答が必要かを明記しましょう。
よくある質問
「ご一考ください」は何と読みますか?
「ごいっこうください」です。「一考」は「いっこう」と読みます。
「ご一考ください」とは簡単に言うと?
一度その案について考えてみてください、という丁寧なお願いです。
「ご一考ください」は目上に使えますか?
使えます。相手との関係によっては「ご一考いただけますと幸いです」とすると柔らかく伝えられます。
「ご一考」と「ご検討」は同じですか?
近い場面もありますが、「一考」は一度考えること、「検討」は詳しく調べて吟味することに重点があります。
「ご一考ください」はもう一度考えてという意味ですか?
通常は一度考えてみてほしいという意味です。すでに出た判断を考え直してほしいときは「再考」や「再度の検討」がより明確です。
「一考の余地がある」の意味は?
一度考えてみる価値がある、ということです。必ず採用するという意味ではありません。
「ご一考ください」と伝えれば返事がもらえますか?
返答や期限まで約束する表現ではありません。返事が必要なら、その旨と期限を別に記しましょう。
まとめ
- 「ご一考ください」は、提案などについて一度考えてほしいと頼む言葉。
- 「ご検討ください」は詳しく調べて判断する意味が中心。
- 「一考」と「再考」は同じ意味ではない。
- 採用や返信が必要な場合は、依頼の内容と期限を明確にする。